格子配列で左右分離型の超コンパクトなキーボード "Let's Split" を組み立てたよ

http://i.imgur.com/NabesMg.jpg

先日のTokyo Mechanical Keyboard Meetup vol.2 (Twitterハッシュタグ #tokyomk2)から1ヶ月経って, ようやくLet’s Splitキーボードの組み立て・セッティングができました.

Let’s Splitって?

格子配列といえばOrtholinear Keyboards(OLKB)が開発・販売している40%サイズのキーボードPlanckが有名ですが *1, Let’s SplitはそれをErgodoxのように左右分離型にしてしまおうというコンセプトで, 海外掲示板redditのメカニカルキーボードコミュニティ /r/MechanicalKeyboards/のユーザWootpatoot氏によって開発されたキーボード用PCBです.

Let’s Split PCBはダイオードやPro Microなど必要なパーツをすべてはんだ付けする必要があり, 普通のメカニカルキーボードのパーツキット(PCBにダイオードやコントローラなどが元から設置されており, キースイッチをはんだ付けして組み立てれば完成するタイプのもの)より少しハードルが高いのですが, 電子工作の勉強には最適でした.

PCBの入手方法

switchTopで1セット$10で販売されていました.
2017年7月現在, 下記のショップで取り扱っているようです.
SwitchTop / Mehkee / Mechboards (2017/7/17追記)

2017年4月に, Wootpatoot氏がv2 PCBのデータをMIT Licenseで公開してくれました. [GitHubリンク] このデータから, 各自自由にPCBを作成できます. (2017/4/24追記)

今回使用したパーツリスト

Part Cost Shop
PCB $10 switchTop
Pro Micros(コントローラ) ¥972 × 2 Yahoo!ショップ
Diodes(ダイオード) ¥180 (100個入) Yahoo!ショップ
TRRS Jack(3.5mm4極のイヤホンジャック) ¥164 × 2 DigiKey or Chip1stop
Plate and case(プレートとケース) $31 Ponoko
M3 Standoffs & Screws (スペーサーとネジ) ¥400 Yahoo!ショップ
Reset Buttons for Pro Micro
(Pro Microリセット用のタクトスイッチ)
¥313 (10個入) Yahoo!ショップ
TRRS cable
(3.5mm4極のミニプラグケーブル)
¥600 Amazon
RGB LED Strips(LEDテープ) ¥756 SwitchScience
Switches(スイッチ) $40.8 Zeal PC
Keycaps(キーキャップ) $54 Pimp my keyboard
Total(合計) approx. ¥20000

合計金額は2万円ほどでした, スイッチとキーキャップで1万円以上かかっているのでそこの金額を抑えれば1〜1.5万円くらいで全て揃うと思います.
あと, Pro MicroはAli Expressなどで300〜400円程度で手に入るようです.

プレートのSVGファイル (2017/4/27追記)

プレートは, アクリル板3mmの厚さで, 下記のデータを使用させて頂き Ponokoでアクリルのレーザーカットを注文しました.

サンドイッチプレート, M3ネジタイプ (ブログの写真はこちらのプレートです)
サンドイッチプレートの間のM3スペーサーの長さは1cmです.

スペーサーがあるサンドイッチプレート, M2ネジタイプ

こちらのスペーサーがあるタイプのサンドイッチプレートデータは, 3枚(3mm×3=厚さ合計9mm)のアクリル板スペーサーを使用し, アクリル板スペーサーの穴に9mmの長さのM2スペーサー(径が3mmのもの)を入れて, M2ネジで固定しています.

各パーツのはんだ付け

基本的には先人たちが作成してくれたLet’s SplitのBuild Guideに従ってひたすらはんだ付けしていくだけ. redditで他のユーザのBuild logをチェックしていたので, Pro Microの向きが左右で異なるなど肝心な点はクリアできたのですが, 電子工作初心者すぎてダイオードの向きを思いっきり間違えてました.

あとは, Pro Microのリセットボタンの挙動が慣れるまではよく分からず何度も失敗しました. (Pro Microの機種によってリセットボタンを素早く2回押す, 長押しするなどリセット方法が異なります. このあたりのセッティングの話は次回更新のときに記事にしたいと思います.)

RGB Underglow

すっごーい!なにこれなにこれ、たーのしー!

Let’s Splitの所感

  • 小さいので持ち運びに便利

    Let’s Splitの魅力は何と言ってもそのコンパクトさと携帯性です, ケースをアクリルだけで作るととても軽いです.

  • Ergodox的な使い方もできていい感じ

    下の段の親指部分によく使うキーやEnter, Deleteなどをアサインして, Ergodox的な使い方もできるので色々捗ります.

  • 格子配列は打鍵が楽しくなる - Let’s Dive into Ortholinear Life

    格子配列での打鍵は楽しいのでオススメです. テンションが上がるので仕事効率も良くなるかも?(個人差あり)

    格子配列のメリットについては, 今後使い続けてまた記事を書いてみたいと思います.

左右分離型キーボードのメリット

1. 腕を開いて, 肩に負担がかからない姿勢で打鍵できる

私がメカニカルキーボードに興味を持ち始めた理由の一つは, 肩と首のこりを解消したいというものだったので, 左右分離型キーボードで肩に負担がかからない自然な姿勢が取れるようになるのはかなり魅力的でした. Let’s Splitはとてもコンパクトなので, 置く場所の自由度も高く色々な所で使用できると思います.

References:

2. 間に物を置ける

トラックパッドを置いてもいいし, ラーメンも置ける

他の主な左右分離型キーボードとの比較

Keyboard Keys Layout Type LED *4 Firmware
Ergodox 76-80 ⎽⎼⎻⎻⎼⎽ Column Staggered Yes QMK/Kiibohd*5
Diverge3 72 ⎽⎼⎻⎻⎼⎽ Column Staggered Yes Animus
Atreus62 62 ⎽⎼⎻⎻⎼⎽ Column Staggered No QMK
Let’s Split 48 田田田 Ortholinear / Matrix No QMK
Diverge TM2 46 田田田 Ortholinear / Matrix Yes Animus

Ergodox, Diverge3, Atreus62はキーの縦の列が弧を描くようにずれているタイプ(Column Staggered), Let’s SplitとDiverge TM2は碁盤の目のようにすべてがまっすぐ列に沿って並んでいる格子配列のタイプ(Ortholinear/Matrix)です.*6

Atreus62は完全な左右分離型キーボードではないのですが, 左右分離型のメリットを持つキースイッチの配置なので入れてみました. 普通のキースイッチの配列(Normal Stagger)の左右分離型キーボード*7とキースイッチの配列が左右対称(Symmetric stagger)のキーボード*8は今回は省いています.*9
この表の中では, Let’s Splitが一番コンパクトなサイズのキーボードです.

今後のToDo

☑ ケース, プレートを作り直す
2枚だけのサンドイッチプレートだと, (Holtite Socketを付けたPCBの場合特に) 強度に難ありのため側面も覆えるようなスペーサーを追加した新しいプレートとケースを作成予定

*1:Planckの他にもTypeMatrix社のキーボードなどがあります

*2:https://en.wikipedia.org/wiki/Repetitive_strain_injury

*3:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%B8%E8%82%A9%E8%85%95%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

*4:スイッチごとにLEDを設置可能かどうか

*5:Infinity Ergodoxの場合

*6:キースイッチ配置の分類はDeskthority wikiを参照しました

*7:MISTEL Barocco, Matias Ergo Pro, Kinesis Freestyle2など

*8:μTRONなど

*9:他にもKeyboardioDactyl, 開発中の色々な左右分離型キーボードのプロジェクトがあるようですが, きりが無くなってしまいそうなのでそれも割愛します.