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Holtite Socketsではんだ付け無しでスイッチの交換し放題なPCBを作ろう

今回のLet’s Splitキーボード製作で, redditのキーボードコミュニティで話題になっていたHoltite Socketsを試してみることにしました. このHoltite SocketをPCBに設置すれば, はんだ付け/はんだ吸い取りをせずにスイッチ(またはLED)を取り付け・交換できる, ホットスワップ*1可能なPCBを作ることができます.

Holtite Socketとは?

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ベリリウム銅でできた, 非常に小さな(数mmの)ソケットです. これをPCBのスルーホールに入れて固定し, はんだの代わりに電気を通してもらおうというコンセプトです.

TE Connectivity社で製造されており, 色々なサイズのものが存在しますがキーボードPCB用には下記の2種類のサイズのものがスイッチ用, LED用として使用されています*2.

スイッチ用のHoltite Sockets

全長3.45mm, 適合するスルーホール直径:1.47mm, ピンホール直径:1.07mm

LED用のHoltite Sockets

全長2.39mm, 適合するスルーホール直径:1.04mm, ピンホール直径:0.66mm

日本国内での入手方法

下記のディストリビューターで取り扱っています.

Holtite Socketsの設置方法

この動画がとても分かり易いです.
熱したはんだごてで, PCBのスイッチ/LEDのスルーホールにHoltite Socketを押し込みます. (基本的には, はんだは必要ありません.) 色々なPCBごとにスルーホールのサイズが異なるので, そのサイズによって上手く設置できるかどうかが決まります.

Holtite Sockets互換性があるPCBかどうかの報告リスト

Holtite compatibility

[guide]Hot-swap compatibility table : MechanicalKeyboards

確実にフィットすることが報告されているPCB:
Zeal60, GON PCBs, B.Face/VE.A/WKL PCBs, Leeku PCBs

実際に設置してみた感想

https://i.imgur.com/uju2dlU.jpg

Let’s SplitのPCBはスイッチのスルーホールが大きめでハの字になっている形状だったため, ソケットが緩く熱したはんだごてだけでは設置できませんでした.
そのため, はんだでソケットを接着させたのですが, この方法だとソケットのスリット部分も接着されてしまいソケットの穴が広がらず, スイッチのピンが上手く入らない場合がありスイッチの設置・交換の難易度が高いPCBになってしまいました. はんだ付けの技能が高ければ, この問題は起こらないかもしれません.

今回気づいた良い点・悪い点は下記のようなものでした.

Holtite Socketsの良い点(Pros)

  • スイッチ交換の際のはんだ吸い取り, はんだ付けの手間が省ける
  • ワンタッチで着脱できてとても便利
  • キーボードギーク感が出てかっこいい

Holtite Socketsの悪い点(Cons)

  • スルーホールのメッキ部分(ランド)が剥がれる可能性があり, 取り扱いに注意が必要
  • キーボードの衝撃耐性, 強度が落ちる
  • それなりに高価(1個30〜50円くらい, 1スイッチにつき2つ必要なので, 60個のスイッチを付けられるキーボードの場合は120個で¥3600〜6000ほどかかる)

結論

Holtite Socketsがはんだごてだけで上手くはまることが報告されているタイプのPCBなら, 設置しても良いかもしれません. あと, スイッチの固定の仕方次第ではありますが, キーボードの衝撃耐性, 携帯性とは相反するアイテムかもしれませんね.

今のところ, どうしてもはんだ付け/吸い取りしたくない人向け or 色々なスイッチを気軽にホットスワップして楽しみたい人向けのアイテムで, 問題なく設置できることが証明されているPCB以外での設置はあまりオススメできないという感じです.