Voxel Highway

Build Logs and Reviews of DIY Mechanical Keyboards and Many Other Gadgets⌨️

SMK "Monterey" AlpsマウントスイッチでコンパクトキーボードAwoozVanを組み立てた話

この記事は, 自作キーボードアドベントカレンダーの12/18の参加記事です.

今回は, Alpsスイッチの亜種のSMK Montereyスイッチとそれ用にデザインされたMiniVan(AwoozVan)という40%キーボードについての話です. この記事をご覧になっている皆様は, Alpsスイッチというものをご存知でしょうか.

Alpsスイッチについて

アルプス電気(ALPS ELECTRIC)は1948年に設立された日本の電子部品メーカーです. *1 各種の電子部品・音響機器を製造しており, キーボード用のスイッチもAlps製の様々な種類のものが存在しています.*2

Alps SKCL/SKCM シリーズ

https://deskthority.net/w/images/thumb/b/be/Alps_SKCL-SKCM.jpg/1597px-Alps_SKCL-SKCM.jpg source: https://deskthority.net/wiki/Alps_SKCL/SKCM_series

AlpsのSKCL/SKCM シリーズは, 1983年初期に製造されはじめたAlps製スイッチです. AppleのDesktop Bus Keyboard*3を始め, 色々なキーボードのスイッチとして採用されていました.*4

SMK Alpsマウントスイッチ

https://deskthority.net/w/images/1/1e/Montereyswitch.jpg source: https://deskthority.net/wiki/SMK_Alps_mount

そんなAlpsスイッチ互換性のあるキースイッチとしてSMK社製のAlpsマウントスイッチ*5が1986年ごろに登場しました.

f:id:riv_mk:20171219061904p:plain source: https://deskthority.net/wiki/SMK_Alps_mount

通称Montereyスイッチと呼ばれるクリッキーな打鍵感の水色の軸のものや, タクタイルな打鍵感の白軸のものがあります.

Alps SKCL/SKCMスイッチとSMK Alpsマウントスイッチのピンの違い

SMK Alpsマウントスイッチのほうは, 左側のピンが上に大きくずれています. そのため, 一般的に出回っている自作キーボードキットのPCB(MX軸とAlps軸スイッチのどちらも付けられるようなもの)ではSMK Alpsマウントスイッチを付けることはできず, 下記の図のように専用のPCBをデザインする必要があります. http://i.imgur.com/DZ328Cf.png

source: https://geekhack.org/index.php?topic=81608.0

f:id:riv_mk:20171219072413j:plain SMK Monterey Alpsマウントスイッチの裏側

TheVan KeyboardsのAwoozVan

f:id:riv_mk:20171219050940j:plain AwoozVanは, TheVan KeyboardsMinivanという40%サイズのコンパクトキーボード用のPCBを, SMKのAlpsマウントスイッチとTai-HaoのAruzスイッチ*6を付けられるように改変したものです.

2017年の2月頃に小規模なGroup BuyがDeskthorityで行われていたようですが, 私は2017年9月に開催されたTokyo Mechanical Keyboard Meetup vol.3のキーボードグッズ抽選会で運良く手に入れることができました.

SMK Montereyスイッチの入手とAwoozVan組み立て

SIIG Minitouchを購入した

キーボードが届いた人「キーボードが届いた!」

もう製造されていないSMK Monterey Alpsマウントスイッチを入手するために, ebayヤフオク, mechmarketをしばらくチェックし, 最終的にmechmarketでSIIG Minitouch*7というキーボードを未使用ストック品の状態でアメリカから郵送費込み$75で購入しました. ebayなどでは中古で$100以上で出品されていることが多いので, 未使用品としてはそれなりに安かったと思います.

f:id:riv_mk:20171219045420j:plain

SIIG Minitouch
「SMKスイッチが使われている」というふれこみのキーボードでも, 製造ロットによっては全然違うスイッチだったりする(メンブレンの場合もあるらしい)ので, 今回SMK Monterey スイッチの情報がきちんと記載されている安全牌の出品を選びました.

f:id:riv_mk:20171219051657j:plainf:id:riv_mk:20171219052007j:plain

このSIIG Minitouchというキーボードで面白いのは, エンターキーが逆L字型のいわゆる「Bigass Enter」なところです. かなりのBigassっぷり

SIIG Minitouchの分解

f:id:riv_mk:20171219045949j:plain 基板はこんな感じでした. ひたすらはんだ吸い取り器でスイッチを取っていきます.

f:id:riv_mk:20171219050527j:plain

AwoozVanのケースを手に入れた

なんと, TheVan Keyboardsの方が3Dプリントしたオリジナルケースをくれました! SMK Montereyスイッチの軸の色とマッチする水色のケースです.

AwoozVanの組み立て

f:id:riv_mk:20171219051130j:plain こんどはひたすらスイッチをはめていきます.

f:id:riv_mk:20171219051501j:plain スイッチを半田付けして, 次はキーキャップです. まだAlps軸用の別のキーキャップを持っていないので, SIIG Minitouchのキーキャップを流用します.

f:id:riv_mk:20171219052532j:plain キーキャップのサイズが合うものが足りなかったのでバランスが色々おかしいですがとりあえずこんな感じ. Escキーのところには上に飛び出している特殊なキーキャップを付けてみました.

f:id:riv_mk:20171219054120j:plain オシャレ感を演出

SMK Alpsマウントスイッチは, とにかく打鍵感が素晴らしい

AwoozVanキーボードを打鍵してみて, 「クリスピーな打鍵感のAlpsマウントスイッチは至高」という結論に至りました. 正直Alps系スイッチ*8は種類がありすぎてこの記事ではごく一部のことしか書けていませんが, まだまだ面白いスイッチがたくさんありそうです.

次のブログは, @eucalyn_さんです!

この記事はWhite fox(Lubed Zealios 67g)とMacbook Proのキーボードで書きました.